プラスチックから、環境を守るために
こんにちは、新潟産こしひかりHIBARIの吉田です。
HIBARIでは環境配慮や有機農業に力を入れていますが、農薬や肥料以外にも農業で環境に影響を及ぼしてしまうものがあります。それは、農業資材などで、使用されているプラスチックです。
昨今、レジ袋有料化などで注目を浴びることも多いですが、農業でも多くのプラスチックが使用されています。
今回はそんなプラスチックについて取り上げていきたいと思います。
海洋ゴミプラスチック問題
自然界で分解されにくい特徴を持つプラスチックが、不法投棄やポイ捨てなどにより、自然界に流出してしまうと、河川等を通じて海にたどり着き、海洋汚染につながってしまいます。
環境省の調べによると、世界では毎年少なくとも800万トンものプラスチックごみが海に流出しているという。これは、東京スカイツリーおよそ222基分に相当する重量です。そのうち毎年2〜6万トンのプラスチックごみが日本から流出していると推計されています。(2010年時点)。
この海に流出している大量のプラスチックごみは、当然海に暮らす生き物に悪影響を及ぼしています。たとえばインドネシアの海岸では先日、6キロ近いプラスチックごみを体内に溜め込んだマッコウクジラが打ち上げられました。
プラスチックのコップ115個、ペットボトル4個、レジ袋25枚、ビーチサンダル2足と、その体からおびただしい量のごみが発見されたそうです。また海で死んでしまったウミガメ102頭の内臓を調査したところ、すべての個体からマイクロプラスチックをはじめとする合成粒子が800以上見つかったそうです。
いずれもごみが直接的な死因につながったのかは判明していませんが、海の住民たちが被害を受けていることは間違いありません。
生分解性プラスチック
プラスチックには、二酸化炭素と水にまで分解されるものがあるというのは、知っていますか?
それは生分解性プラスチックといいます。
生分解性プラスチックとは、通常のプラスチックと同様に使うことができ、使用後は自然界に存在する微生物の働きによって、最終的に水や二酸化炭素といった分子レベルまで分解され、形が残らず処理ができるプラスチックのことです。そのため、ごみとして蓄積されません。
生分解性プラスチックの分解にかかる時間は?
WWFジャパンによると、通常のプラスチックが自然分解される時間は、一番分解されやすい「たばこの吸い殻」でも1.5年〜10年、身近なペットボトルでは400年、釣り糸に至っては自然分解されるのに600年もの膨大な時間がかかります。
ところが生分解性プラスチックの分解にかかる時間は、レジ袋サイズでおおよそ3ヶ月から6ヶ月と言われています。
分解に数百年かかると言われる通常のプラスチックよりも圧倒的に短い時間で分解が可能となります。
そして、生分解の速度は温度・湿度・微生物の影響でも変化します。有機性廃棄物と共に大型堆肥化装置に投入すると、短期間で生分解するように設計されています。
農業におけるプラスチック問題
農業分野、特に施設園芸にとってプラスチックは必要不可欠な生産資材です。
農業用廃プラスチックとは、農業生産に伴って発生したプラスチック類のことで、使用済みのハウス用ビニール、マルチ、肥料袋、ラップフィルム、セルトレイ、農薬容器、育苗箱などがあります。
マルチとは、畑で野菜の根元に敷くことで地温の管理、雑草の抑制の効果がある資材です。このマルチですが、通常のプラスチックの場合は、分解できないため、野菜の栽培が終わった後に、回収をしなければいけません。
ここで、生分解性マルチを使用することで、そのまま土の中に混ぜることで自然に回収の作業の手間を省くことができます。
HIBARIでは、環境に配慮したお米を販売しています。農業や環境問題を知ることで、有機農業を現状を感じて欲しい。知り、感じることでよりHIBARIのお米の世界感を楽しんで欲しいと思います。