美味しい玄米の炊き方、浸水時間が美味しさの鍵!
こんにちは!新潟産こしひかりHIBARIの吉田です。最近では紫陽花も見頃を迎えているころですね。
そんな季節の変わり目に玄米を食べて体調管理を行ってみるのは、いかがでしょうか!
玄米は白米の炊き方との違いとして、しっかりとした浸水が必要なことをご存知ですか?
なぜ長時間水に浸すことが重要なのか、説明していきたいと思います。
玄米を長時間浸水する理由
玄米を炊くときに浸水が必要とされている理由は下記の2つです。
・ふっくらと美味しく炊き上がる
・アブシジン酸とフィチン酸の毒素を消すことができる
それぞれの理由について簡単に紹介していきます。
ふっくらと美味しく炊き上がる
玄米は、白米よりも食物繊維が多く含まれるため硬く、食物繊維が水を吸収するのを邪魔します。
したがって米の中心部まで浸水させるには白米よりも長時間つけておく必要があります。
浸水時間が短いと硬くパサパサした仕上がりになってしまいます。
一般的に玄米は、浸水した方が甘みが増して食感も良くなるので美味しく炊き上がるとされています。ふっくら炊くには6時間以上の浸水がおすすめです。
アブシジン酸とフィチン酸の成分を消すことができる
「アブシジン酸」と「フィチン酸」は健康に悪影響はないことが証明されています。ただ、気になる方は玄米を浸水させることで「アブシジン酸」と「フィチン酸」の2つの成分の量を少なくすることができます。
毒素を消す場合の浸水時間の目安ですが、アブシジン酸は12時間以上浸水させると含有量が1/3以下になると言われていますので、12時間を目安に浸水させると良いでしょう。
アブシジン酸とフィチン酸とは
フィチン酸は穀類や豆類に含まれるイノシトールにリン酸が結合した成分です。
強力な抗酸化作用を持ち、ガンの予防に関与しているとされる一方、その強力なキレート作用からカルシウム・鉄分・亜鉛などの必須ミネラルの吸収を阻害するとも言われています。最近の研究では、その安全性と機能性が明らかになっています。
参考文献
フィチン酸について|日本食品分析センター
調査研究報告書 既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究|公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
しかし、食品薬品安全センターなどによる研究で、フィチン酸を主成分とするコメヌカ酵素分解物の安全性が確認されたこともあり、最近ではむしろその機能性に注目が集まっているのも事実。
先ほどの抗がん作用に加え、フィチン酸には血栓症予防効果や、体内の余計な毒素を排出するデトックス作用もあるとされているんです。
またフィチン酸は玄米のみならず、小麦やそばなどの食品にも含まれています。 このことからも、あまり神経質になる必要はないと言えるのではないでしょうか。
アブシジン酸(ABA)については、アブシジン酸とは、玄米(イネ)が自分自身を外敵から守るために、適切な時期が来るまで栄養成分を閉じ込めて発芽を抑制する「発芽抑制因子」のことを指します。
これが私たちのエネルギー生成に関わるミトコンドリアを傷つけるという噂があり、一部では「発芽毒」とも呼ばれているようです。検証により毒性は認められませんでした
しかし、アブシジン酸を含む植物調節剤の安全性が内閣府の食品安全委員会によって報告されているのに加え、アブシジン酸の持つ抗炎症作用が動脈硬化や糖尿病の予防・改善に有用である可能性も示唆されています。こちらもフィチン酸同様、必要以上に心配することはなさそうです。
参考文献
米国環境保護庁(EPA)、植物調節剤、S-アブシジン酸の残留基準値設定免除に関する規則改定|内閣府 食品安全委員会
玄米の炊き方
1. 玄米の表面に付着しているもみ殻やごみなどをとるようにしっかり洗い、水を2~3回変える。
洗ったあとはたっぷりの水を加えて浸水させる。浸水時間は、最低5~6時間が目安です。夜寝る前に浸水させておいて朝に炊いたり、朝出かける前に準備して夜スイッチを入れても良いかもしれません。
2. 炊飯前に、玄米をざるにあげて水をきる。
3. 炊飯器に玄米炊きモードがついている場合は、炊飯釜の目盛を参考に水を加える。玄米炊きモードがついていない場合は、一晩浸水させた玄米に、玄米の重量の約1.5倍の水を加え、普通の炊飯モードで炊く。
【ここでワンポイント!】
炊飯のときには、塩を加えましょう!これは塩味をつけるためではなく、玄米特有の臭みをとるためで、こうすることでよりおいしく炊き上げることができます。塩の量の目安は、玄米カップ1に対して、塩1g程度。
4. 炊飯が終わったら約20分蒸らし、蓋をあけてしゃもじで軽くかき混ぜておきます。
圧力鍋・土鍋を使って、玄米をワンランク上のおいしさへ!
圧力鍋を使った玄米の炊き方
圧力鍋を使って玄米を炊いたことはありますか?
圧力鍋で玄米を炊くと、玄米を水に長時間浸す必要もなく、食べたいと思った時に短時間で炊けるのが魅力です。また、圧力鍋を使うことで、玄米独特のもちもちとした食感が引き立てられます。
1. 洗った玄米を圧力鍋に入れ、玄米の重量の約1.5倍の水を加える。約2時間おいたら、塩一つまみを加える。
2. ふたをして強火にかけ、ふたのおもりがカタカタと動き出したら火を弱め、約25分炊く。
3. 火を止め、鍋の中の圧力が下がるのを待ってからふたをあけ、しゃもじで軽く混ぜる。
圧力をかけて炊くので、とても短い時間で玄米をふっくら、もっちりと炊くことができます。
※圧力鍋のメーカーにより、炊き時間が異なります。上記は目安の時間です。
土鍋を使った玄米の炊き方
土鍋のふたに穴が空いている場合は、キッチンペーパーなどを使って蒸気が外に漏れないよう穴をふさいでおきます。
1. 洗米し、約5~6時間浸水させた玄米を土鍋に入れ、玄米の重量の約1.5倍の水と塩一つまみを加える。
2. ふたに穴があれば割りばしなどで穴をふさぎ、中火にかける。沸騰したら弱火にして約35分。
3. 強火にして約10秒、最後の仕上げとして土鍋の中の水分を飛ばす。ふたを開けずに約20分間蒸らす。
4. ふたを取り、しゃもじで軽くかき混ぜたら完成。
玄米の楽しみ方
今回は玄米の様々な炊き方に関してご紹介してきました。過去ののコラムで玄米に関するコラムもいくつかありますのでそちらも合わせて読むとより美味しく玄米を味わうことができると思います。
例えば、玄米が初めての方には、白米と玄米を混ぜて炊くブレンド炊きや玄米を食べやすく精米した分付き米など。ぜひぜひ読んで玄米に挑戦してみてください。