有機として認められるまでの道のり
こんにちは、新潟産こしひかりHIBARIの吉田です。
気温がグッと寒くなったことで北海道や東北では、初雪が降った所もあるようです。新潟の初雪ももう少しかも知れません。
今回のコラムは有機農業に関してご紹介していこうと思います。
有機農業とは
有機農業推進法において、有機農業とは「化学的に合成された肥料および農薬を使用しな いこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境へ の負荷をできる限り低減した農業生産の方法 を用いて行われる農業」(第 2 条)と定義されています。
しかし有機農業の本質は、「化学肥料や農薬を使用しない」ということより「化学肥料や農薬を必要としない」環境作りにあります。
環境の中でも大事な要因は、「土」です。いろいろな有機物を土に補給することで、化学肥料や農薬を必要としない栽培環境を形成しています。
動物のフンや山林の落ち葉など自然環境には様々な有機物で溢れています。
有機農業は、使う有機物の量や質に配慮し、 地域の資源を活かしながら、田畑の生きものを バランスよく管理することが大切です。
有機農業と慣行農業の違い
有機農業と慣行農業との病害虫防除、雑草の扱い方、肥料について、その対応の違いがあります。慣行農業では、栽培環境を分析的にとらえ、 不足した養分は化学肥料で、病害虫、雑草に対しては農薬で対処していきます。
有機農業は、慣行農業のように病害虫の発生に対して直接対応する農薬などのマニュアルはありません。鶏ふんや牛ふんの堆肥など、 チッ素分の多い有機肥料を利用したり、雑草には、除草したり、 マルチ資材による防除など様々な方法が存在します。
有機JAS認定とは
様々なスタイル、農業技術がありますが、日本では安易に有機農業を語ることはできません。有機野菜やオーガニック野菜を名乗ったり、「有機JASマーク」を貼付した農産物や加工食品を生産・販売したりするためには、登録認証機関に申請し有機JAS認証を取得しなければなりません。
有機JAS認証は、農林水産大臣が定めた品質基準や表示基準に合格した農産物が認定されます。
有機栽培で農業生産を行っている場合でも、栽培時に「有機JAS規格で認められていない肥料・農薬などの資材」を使用していると、認証を受けられません。
農業生産を行う「ほ場」についても基準が定められています。※ほ場とは田んぼや畑のこと。
例として
・栽培を開始する2年以上前からほ場に禁止された農薬・化学肥料を使用していないこと
・栽培中も禁止された農薬・化学肥料を使用していないこと
・ほ場や施設・用具に農薬や化学肥料などの使用禁止資材の飛散・混入がないこと
など
もちろん、使用する種苗についても基準が定められています。
例として
・遺伝子組み換えの種苗を使わないこ
・育苗する際の培養土は、基準に適合したほ場の土壌であるか
・購入する場合には使用禁止資材が使われていない培養土であるか
など
証明のためには、栽培記録や資材の購入履歴をしっかりと管理していくことが不可欠です。
その他にも従業員の講習の参加や様々な決まりがあります。それを乗り越え、認証された農作物が晴れて有機農産物を名乗ることができるのです。
ファーマーズセレクトでは有機JAS認定を受けたお米も取り扱っております。
参考
有機JAS認証制度とは?認証取得のステップ
https://www.organic-support.jp/support/01/detail/?p=43
有機食品の検査認証制度
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html