いよいよ春本番!お米の準備開始!
こんにちは、新潟産こしひかりHIBARIの吉田です。
冬も終わり気温も上がり周りでも至る所で、さくらが咲き始めました。
雪も解け、農家の仕事も動き出す頃です。今回はそんな春の農作業を詳しくご紹介していきたいと思います。
農家の仕事は雪解けから始まる
農家の特に稲作は雪解けが始まることに始まります。お米作りは一年に1回春に稲を植え秋に収穫をします。だから、冬の終わりを告げる雪解け時期からお米の準備を始める農家が殆どです。
あぜ塗り
畦(あぜ)とは田んぼから水が漏れ出ないようにする重要な役割がありますが、畦は経年劣化によって割れ目が生じたり、モグラやザリガニが穴を開けたりすることがあります。
こうした割れ目や穴を塞いで漏水を防ぐための作業が畦塗りです。水田に水入れしたあとの水持ちをよくして肥料や除草剤の効果を高め、雑草の発生を抑える目的もあります。
畦塗りは田植えの1〜2ヵ月前に行うのが一般的です。
基本的に新潟では田植えは4月〜5月に行われます。そのため、現在農家さんは畦塗り真っ只中というわけです。天気が良く乾いた田んぼの方が作業しやすそうなイメージですが、実は土が完全に乾いているときより、多少湿っていた方が畦の表面が固まりやすいため、通常は雨が降ったあとに行います。
田起こし
田起こしとは秋の収穫を増やすことを目的とし、乾いた田んぼの土を掘り起こし、深く耕し地力を向上させる作業です。
カチカチに固まった冬眠空けの田んぼに息吹を吹きこみ、田んぼの土をふかふかベッドへ様変わりさせます。
田起こしの効果
土を乾かすと土中に含まれているチッソ成分が稲に吸収されやすい形へと変化し、チッソ肥料が増加します。また深く耕すことによって、より多くの土が空気に触れ(含有)、稲を植えた時の根の成長が促されます。
秋の収穫後、田んぼには稲の切り株と刈り草(有機物)がそのまま残っていて、ロータリーで土もろともかき回すことで土中に有機物をすき込み、この有機物をミミズや微生物が分解し有機質肥料(チッソ、リン酸、カリウム含む)が生成されます。
そして、細かく砕かれた土と切り株などの有機物がくっついたものは(団粒構造の土)、排水性・通気性・保水性・保肥性・保温性が高まり、良いことづくしです。
代かき
田起こしの次は田んぼに水を入れ、代かきをします。
代かきが終わるといよいよ田植えですが、この田植えのしやすさや、田植え後の田んぼの管理の効率を大きく左右するとても重要度の高い作業になります。
田植えがしやすくなる
田んぼを耕しただけの状態は、こぶし大の土の塊になっているだけです。この状態で田植えをすると、苗がしっかりと土の中で固定することができず、倒れやすくなってしまいます。
倒れてしまうと、土の中で根を張ることが遅れてしまいます。表面をドロドロの土にすることで、苗が植えられた時に「立ちやすく」してあげるという目的があります。
田んぼを平らにする
一言で「平ら」と言ってもここでは2つの意味があります。
1つはただの土の凸凹をなくすという意味です。
これは単純に土の塊が水を含んでドロドロになると解決する問題です。
2つめは「田んぼの水平」をとるということ。田んぼ一枚規模で考えたときに、高いところと低いところの差が限りなく小さくなっている状態が理想です。
代かきをして、土の粒子を細かくすることで、田んぼの地下へ染み込む量を減らし、水持ちをよくする働きもあります。特に田んぼの外周は水漏れが起きやすいため、中よりも丁寧に代かきをする必要があります。
雑草をリセットする
代かきをすることで多少の草であれば、土の中に埋め込まれてしまうため、草は軽減にすることができます。
草の方が成長スピードが早いため、最低限「草がゼロ」の状態からスタートさせてあげることが、苗に対してこの時にできる最大限の応援になります。特に除草剤を使わない方法で栽培する場合、このスタートがとても大切です。