プラスチックが田んぼから海に流れる?一発肥料とは?

こんにちは、新潟産こしひかりHIBARIの吉田です。
11月に変わり、気温がグッと寒くなり体調も崩れ始める季節かと思います。皆様体調管理には、お気をつけて過ごしていただけたらと思います。
今回のコラムは前回の内容を掘り下げていきたいと思います。前回は大まかに環境問題と農業に関してでしたが、今回は一つのお題にピックアップして紹介します。

農業とマイクロプラスチック問題

何回か取り上げている問題ですが、今回は詳しく掘り下げて紹介していきたいと思います。先ず何故肥料にプラスチックが使われることがあるのかそこから説明していきます。

稲作肥料の特徴

基肥

​​基肥とは、植物の苗や苗木を植え付ける時などに、事前に土へ与えておく肥料のことをいいます。「元肥(もとごえ)」や「原肥(げんぴ)」と呼ばれることもあります。
稲作では基本的に田植え前の春に田んぼを耕す際や秋に稲刈りが終わった後に、基肥を入れることが一般的です。
植物の発育を止めずに元気に育つために施すので、すぐに効果を期待するための肥料ではありません。効果がすぐに現れない遅効性肥料や緩効性肥料を使用することが多く有機質肥料をよく使用するのも特徴です。

追肥

追肥とは、植物の生育状況を見ながら、不足した養分を補うために追加で与えていく肥料のことを指します。「ついひ」とも「おいごえ」とも言います。
効果をすぐに期待するため、速効性のある液体肥料や化成肥料を使用することが一般的です。稲作の場合は、夏を超えた当たりから基肥が切れ始めることが多く、お米の味を左右する穂がなり始める時期に追肥を行うことを穂肥といいます。この追肥のタイミングは農家それぞれが見極め、稲の成長具合やその年の天候を考慮し判断しています。

一発元肥

この一発元肥は、追肥を行う作り方とは異なる物になります。名前の通り、元肥一回で肥料の使用を終わらせるという物です。この栽培方法を行うことで追肥を行う手間と労力が省かれるわけです。そのため、お米を大量に栽培している農家や、兼業で行なっている農家など多くの方が利用されています。ここまで聞くと、一発元肥はとても良い物に思えますが、気をつけなけばいけない点は存在します。

・これは栽培面の話ですが、一発で肥料を与えることになるので、稲に対して細かい微調整をすることは難しいです。例えば肥料分を与え過ぎてしまった場合、肥料分を抜くことができませんし、少なかった場合は結局追肥をすることになります。

・一発元肥の肥料は肥料分が本来のものよりもゆっくりと効くようにコーティングされている肥料です。そのため、コーティング剤にプラスチックを使用している肥料があります。

一発元肥のプラスチック問題

水田等で使用された、いわゆる一発肥・コーティング肥料の殻はマイクロプラスチックとして環境中に流出します。
殻は紫外線に長時間あたると分解するとされていますが、プラスチック(殻)は腐食せず劣化し細かく破砕され海洋中を漂っているのが現状です。
大きさが数ミリメートル以下であるマイクロプラスチックなら、プランクトンからクジラまで、様々な大きさの海洋生物に誤食されてしまいます。実際に、これまで海で採取した生物の体内から、次々とマイクロプラスチックが検出されているのです。

そのため農林水産省ではこの問題に関して、対策を行なっております。そして、プラスチックコーティングの一発肥料を使用せずに自然のことを考え、きちんと目を向ける環境配慮に取り組む農家もたくさんいます。
いかがでしたか?知ることで身近なことへの見方が変わってくるのではないでしょうか?
HIBARIではそういった取組を応援していきたいと思っています。

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